前回は、歯並びの見た目の影響についてお伝えしました。今回はお口の「機能」と矯正治療の関係についてお話ししていきます。
まず、お口の機能が健康的に維持されるためには、3つの要素が大切です。1つ目は、「歯の強さ(虫歯のなりやすさ)」、2つ目は「支持組織(歯茎や歯を支える歯槽骨=顎の骨)」、3つ目が「顎の関節や筋肉」の要素です。
この3つの要素のバランスが、口腔機能の維持安定に密接に関わり、それぞれの強さや抵抗性に個人差があります。歯並びが悪くても、見た目以外に特に問題がなく、「食べる・話す」ことに困らない方も多くいらっしゃいます。しかし、注目すべきは、すべての永久歯が生えそろう12歳前後から先、20年30年それ以降経ったときの状態です。
歯を失い始める年齢は、だいたい40代以降と言われていますが、その原因として歯並びの悪さによる、清掃性の問題や過大な力が加わることで、歯や支持組織がダメージを受ける可能性があります。
そのため、問題が起こる前に歯並びを整えておくことは、将来歯を失うリスクを下げる「予防治療」となり得ます。また、問題が起きてしまった後でも、根本の原因を診断し対処する治療計画を立てることで、長期に安定した口腔環境を整えやすくなります。
当院では、矯正歯科専門医と医療連携をしながら治療をすすめておりますので、歯並びが気になる方はお気軽にご相談ください。