Vol.116

他にもある!歯を失う要因、トゥースウェア

トゥースウェアという言葉は聞いたことありますか?初めて聞く言葉という方がほとんどだと思います。

スペルは[tooth wear]と表記し、日本語では歯の磨耗やすり減り、損耗といった意味があります。虫歯や歯周病が歯を失う原因になることはご存知だと思いますが、このトゥースウェアには、①咬耗症、②磨耗症、③くさび状欠損、④酸蝕症の4つに分類され虫歯や歯周病でもないのに歯を失ってしまう要因になる見過ごせない病態です。

まず、①咬耗症は、ギリギリと歯ぎしりをしたり、硬い食品を食べ続けることで起こる歯のすり減りです。年齢とともにほとんどの方に出現するので軽度であれば治療は必要ありません。

次に②磨耗症は、咬耗症と似ていますが、歯以外の原因で起こるすり減りで、例えば強すぎる歯磨きをしたり、入れ歯の金具の擦れ、管楽器の演奏による影響などで起こります。③のくさび状欠損は、歯と歯茎の境目が咬み合わせの力や強い歯磨きの力で、斧で木を切る時にできるような形にえぐれている状態です。これは知覚過敏症の原因にもなるため注意が必要です。最後に④酸蝕症は、酸性の食品や炭酸飲料を多量に摂取することで起こり、歯の表面が溶けてボロボロになってしまいます。

これらの症状は単独で起こることもありますが、いくつか併発して発症することもあります。進行すると歯を失う要因になり、自分でも気づかないうちに進行してしまっていることがあるため、歯科検診でチェックしてもらってくださいね。