Vol.104

歯科矯正は予防治療の一つ

歯の矯正治療と聞くとどんなイメージがあるでしょうか。おそらく、歯並びが悪くて見た目が気になる人の歯科治療の一つと認識している人が多いかと思います。その通りではありますが、矯正治療は歯並びを整え、見た目を改善するだけではないのです。例えば、パッと見は綺麗な歯並びでも、噛み合わせが上下でうまく合っておらず咀嚼機能に問題が起きていることもあります。この場合は生まれつきのものなので、他人との比較ができず「こういうもの」として不具合に感じていないことも多々ありますが、食事のとき噛みにくい感じがあるなど思い当たる方は、矯正歯科の目線で歯並びと噛み合わせのチェックが必要かもしれません。他には歯並びがガタガタしていると、単純に歯磨きがしにくいという問題も起こります。元々の歯並びが完璧に綺麗な人は本当に稀ですが、たとえそうであっても歯ブラシできちんと歯を磨くのは大変です。そこに重なり合った歯があったり、全然違う方を向いた歯があったりすると、さらに大変です。ですので、正しい歯並びは虫歯や歯周病を予防するためにはとても大切なことですし、歯科治療が必要になってしまった時にも予後の安定性に有利に働きます。矯正は成長期に行うのが良いとされていますが、近年は色々な方法で大人でもしっかり治療が可能です。ご自身の歯並びや噛み合わせに気になることがあれば、かかりつけ歯医者か日本矯正歯科学会をチェックしてみてください。