歯周病で歯茎に炎症があったり、膿んでいたりすると歯周病菌が放つ強烈な悪臭が呼吸と共に周囲に広がります。介護施設に入居している方へ訪問歯科診療で口腔ケアを実施したところ、部屋の臭いが劇的に改善されたと職員の方から報告を頂くことがあり、口腔ケアの効果は身体の健康面だけではなく、周囲の環境にも良い影響があると実感します。
しかし、介護老人施設での定期的な歯科検診の受診率は2016年の調査によると19%ほどに留まり、実に8割の方は歯科医師による検診も歯科衛生士による口腔ケアも受けていないという現実があります。在宅での老老介護の世帯も加味すると要介護者の歯科受診率は相当に低いことが予想されます。
歯周病や口臭は自覚症状が無いことがほとんどです。清潔な環境での生活を支えるため、自覚症状の有無に関わらず歯科検診と口腔ケアをぜひ受診してみてください。そして、歯科受診は外来受診だけが手段ではありません。
要支援・要介護状態の方や外出が困難の方で、かかりつけの歯科医院が訪問歯科診療に対応していない場合は、旭川地域歯科医療連携室(電話0166‐73‐3238)にご相談ください。ご自身で歯科医院を探さなくても、対応可能な歯科医院を見つけ派遣してくれます。詳しくはホームページもあるので検索してみてください。