8020運動という言葉を聞いたことはありますか?
平成元年1989年から始まったもので、80歳になっても20本以上の自分の歯を保とうというものです。
この運動が始まった35年前の達成率は10%に満たなかったようですが、最近の調査では達成率51-6%と半数以上が達成しているのです。そもそも、なぜ20本なのかご存知でしょうか。
それは、少なくとも20本以上の自分の歯があれば、食べ物を選ばずによく噛み砕くことができ、おいしく食べられるという考えからきています。
では、8020を達成するためには失う歯を何本以内にしなくてはいけないでしょう。成人の歯(永久歯)は親知らずを除いて、上下で14本ずつ28本あり、これら全ての永久歯はだいたい中学生の間には生え揃います。
ですので、その後の人生60数年の間に失う歯を8本以内に収めなくてはいけません。8020運動の考え方はご理解いただけたと思いますが、ここからが今回のキーポイントです。
問題は、残った20本の歯のそれぞれの状態とその残り方です。奥歯から順番に上下4本ずつ抜けて、手前の10本ずつが残り、しかもその合計20本全てが綺麗に安定して問題なければ良いですが、そんな都合よく歯は残ってくれませんし、多くの場合8本歯を失う過程で残っている歯も無傷では済んではいないはずです。
後編では、ご自身の歯での8020に捉われず、よく噛める状態を優先した方が良い場合についてのお話です。