今回は前編・後編の2部構成でお届けします。
先日、当院で治療中の高校3年生になる女の子と何気なく話していて、「周りの友達で歯医者に通っている子や歯科の定期検診をきちんと受診している子はあまりいないと思う」と言っていてハッとしたことがありました。
当院は地域医療に根ざした、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」という厚労省の認定を受けている予防歯科に特化した医院なので、概ね全ての年代の方に来院して頂いていますが、確かに高校生の受診割合は比較的少ない傾向にありました。
そこで文献を調べると、2018年に行われた全国3地域での調査では、高等学校での学校歯科検診で要受診と判定された生徒のうち実に85%が未受診だったという衝撃の結果が報告されていました。その調査では、なぜ受診しないのかというアンケートも同時に行われていて、理由は様々ありますが、時間がないことや経済的理由、必要性を感じない(不具合を感じていない)などが挙げられていました。
高校生というと、ちょうど子供と大人の狭間の年代で、親としても特に痛みの訴えなどなければ、歯科定期検診はつい見過ごされているように感じます。旭川市の子ども医療費助成制度も中学3年生までなので、そういったことも関係しているかもしれません。
今回は二部構成で後編は、特に運動部に所属している生徒の日常を僕の経験も踏まえて綴っていこうと思います。
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