Vol.18

歯ブラシで歯を 削っていませんか?

虫歯でもないのに冷たい水やアイス、外の空気などで歯がしみたり、熱いコーヒーやお茶を飲んだとき、歯ブラシをあてた時にピリッと鋭い痛みを感じた経験はありませんか?聞いたことがある人も多いかと思いますが、これは知覚過敏と呼ばれるもので、歯の表面のエナメル質という組織が摩耗して内側の象牙質という組織が露出することで引き起こされる症状です。

象牙質には歯の神経に繋がる細い管があり、表面のエナメル質がこれを守っています。しかし、エナメル質が摩耗し失われると象牙質への刺激が神経に伝わりやすくなり、あのつらい歯のしみを起こすのです。エナメル質は人体の中で最も硬い組織なのですが、あることが原因で摩耗してしまいます。

それは、毎日の歯磨きです。あの細くて小さいブラシが鉄よりも硬いエナメル質を削ってしまうというのは想像がつきにくいですが、実際、一生懸命キレイに歯を磨いている方ほどエナメル質の摩耗が見られることが多いです。鏡で歯を見たときに、歯の付け根部分、歯茎の際のところがえぐれたようにくぼんでいませんか?これが見られる方は、磨く力が強すぎるかもしれません。

歯の表面の汚れは意外と優しい力で十分落ちます。ガッシガッシ磨かないと磨いた気がしない気持ちもわかりますが、歯を磨いてるつもりが歯を削っていることになる場合もあります。適性な力加減は歯科衛生士さんに教えてもらいましょう。