Vol.11

口腔ケアでウィルス感染を予防!

新型コロナウィルスの流行がなかなか収束しない中、インフルエンザの流行の季節が間近に迫ってきました。今回は口腔ケアとウイルス感染症の関係をお話します。

ウイルスは体のどこから侵入するでしょうか。代表的な侵入経路として口腔粘膜や気道粘膜があります。通常、粘膜はタンパク質で覆われていて、ウィルスが体内に侵入するのを防いでいます。しかし、口の中、歯の表面を覆うプラーク(細菌の塊)は、このバリアーの役割のある粘膜表面のタンパク質を破壊し、ウィルスが体に侵入するのを助けてしまうのです。

実際の検証では、ある小学校で口腔ケア(歯磨き)促進活動をしたところ、促進活動をしていない学校と比べ、インフルエンザによる学級閉鎖が約半分になったというデータがあります。また、介護施設においては、週1回のプロフェッショナルケアを受けたグループは、受けていないグループと比べ、半年後の調査でインフルエンザの発症率が10分の1になったというデータもあります。

さらに、歯周病が進行し歯茎に炎症があると、インフルエンザと細菌による二次感染のため、病状が重症化しやすいという報告もあるのです。

お口の中をキレイに保つことは全身の病気だけではなく、ウィルス感染予防にも大切なことがわかっています。季節の変わり目で体調管理が大変な時期ですが、本格的に寒くなる前に歯科衛生士さんによるプロフェッショナルケアをぜひ受けましょう。