今回は心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化症という血管がつまってしまう病気と歯周病との関係についてのお話です。
日本人の死亡原因の約30%を占めるのが心筋梗塞を中心とした心臓血管系の病気と脳梗塞や脳出血といった脳卒中で、その死亡総数は癌による死亡数に匹敵するほどです。特に脳卒中は、一命を取り留めても麻痺などの後遺症により長期入院を余儀なくされたり、要介護状態になってしまうことも多くあるため、その予防がいかに重要かは明らかでしょう。
歯の表面に沈着したバイオフィルムという細菌の塊は、心臓の血管をつまらせる動脈内壁プラークからも検出されます。そして、この動脈内壁プラークから見つかる歯周病菌の検出率は歯周病の進行程度に応じて増加し、歯周病による歯茎の炎症の持続が動脈硬化症の引き金になることが研究により明らかとなりました。
つまり、歯周病の予防と治療は、動脈硬化症予防の重要なカギとなっているのです。
歯周病予防の第一歩は日々の歯磨きです。歯の表面に残ったバイオフィルムをしっかりキレイに落とすことは、歯科衛生士さんによる定期的なプロフェッショナルケアにお任せ下さい。歯周病や虫歯だけではなく、全身の病気を継続して予防していきましょう。