歯医者でむし歯の治療と聞くと、ドリルで歯を削って詰め物をするというイメージだと思いますが、今回はむし歯治療が実際にどんな手順で行われているかを紹介したいと思います。
まず、むし歯になっている歯を見つけたら、レントゲン検査などを行い、そのむし歯の深さや広がりを診断します。状態によっては、まだ小さく初期むし歯のときは削らずに経過観察となることも多いですし、逆にあまりに大きいときには神経の治療が必要になることもあります。むし歯になっている歯は黒褐色に変色し、細い針で触ると本来硬いはずの歯の表面が柔らかくなり刺さるような感触があります。
むし歯治療の基本はこの柔らかくなったむし歯部分を過不足なく除去することにあり、むし歯を残さず、かつ、健康な歯を削らずに残すことが重要になります。そのためには、高倍率の拡大鏡(歯科用ルーペ)で精密治療を行う必要があり、歯医者としての技量が試される瞬間です。
むし歯を除去するためのドリルの選択も重要です。エアタービンと呼ばれる、キーンと鳴るドリルは毎分50万回転の超高速で歯を削る機械ですが、その分回転による摩擦熱に注意が必要です。神経に近いむし歯を除去する時には、より繊細に操作するため、機械ではなく極小のスプーン状の手用器具でアイスを取り分けるように優しくむし歯をとります。
むし歯をとり終え、詰める段階のお話はまた次回に!