突然ですが今、上の歯と下の歯は噛んでいませんか?ぐっと噛んでいなくても、上下の歯はくっついていないでしょうか。顎は食事(咀嚼)や飲みこみ(嚥下)のとき、上の歯と下の歯を噛み合わせるために閉口筋という下顎を持ち上げる筋肉を使って上下の歯を噛み合わせています。
1日の中で上の歯と下の歯が噛んでくっついている時間は、1日3食の食事の他に、自然に唾液を飲み込んだりする時など合わせて約20分と言われています。つまり、食べ飲みしていない時には閉口筋は使われず、上下の歯は当たらず、少し開いている状態が正常です。
ですがどうでしょう、普段上の歯と下の歯はくっついていませんか?もし日常的にくっついていれば、それはTCH(Tooth Contacting Habit 歯の接触癖)というお口の悪習癖かもしれません。食いしばるほどの強い力ではないので、長時間にわたり緊張状態が持続してしまうのが問題です。
TCHがあると歯が割れてしまったり、詰め物や被せ物が取れやすくなったり、歯周病が悪化してしまうことがあります。また、長時間の筋肉の緊張が口や顔周辺の血行不良を引き起こし、顎関節症や肩こり、頭痛など様々な症状を引き起こすと言われています。
正しい状態は、唇は閉じ、歯と歯は2㎜くらい開いて、舌は上の前歯の裏の少し後ろに触れ、鼻で息をして下さい。この状態を1日の中で何回か思い出してみて下さいね。新年度が始まり何かと緊張する場面が多いかもしれません。少しでも緊張をほぐすため、ぜひ取り入れてみて下さい。