Vol.82

歯の根むし歯、磨き過ぎに注意!

むし歯はむし歯でも大人特有のむし歯があることはご存知でしょうか。
根面う蝕(こんめんうしょく)と言って、名前の通り歯の根の部分にできるむし歯のことで、大人になってからできやすいむし歯の一つです。

歯の根は通常歯茎(歯肉)で覆われていますが、歯茎は加齢や歯周病などで影響を受けやすく、気がつくとだんだん痩せて歯との境目が下がる(歯肉退縮)ことで根が露出してしまいます。

歯の表面は、エナメル質という人体で一番硬い構造物で覆われていますが、根の表面はエナメル質に覆われておらずとてもデリケートなので、表面が露出してしまうとむし歯のダメージが進みやすくなってしまうことがあります。

歯茎が下がる原因として、もう一つ注意が必要なのは、歯の磨き過ぎです。何年かぶりで久しぶりに歯医者に検診で来られた方で、一見すると全体的にとても綺麗にセルフケアされている場合、少なくない割合でこの歯茎下がりが見受けられます。綺麗に歯を磨こうとするあまり、ついつい力が入り過ぎてしまい、汚れだけではなく歯も削り取ってしまうのです。歯茎が下がると根面う蝕だけではなく、知覚過敏も起きやすくなってしまうので、ぜひかかりつけの歯科衛生士さんをもって、磨き残しのチェックだけではなく磨き過ぎのチェックも受けていただけると安心です。