前回からの続きで、定期検診に潜む認知バイアスについてのお話です。少し難しい言葉ですが、要は「異常の見逃し」です。
定期検診の重要な役目である、病気の早期発見のためにはどんなに見慣れていても、「大丈夫だろう」という視点ではなく、「怪しいかもしれない」という視点で厳しくチェックしていきます。そのために役立つのは、定期検診の際の毎回の口腔内写真撮影です。
過去の写真をモニターに出すことで、比較しながらチェックし、客観的な視点を持つことができるのと、ご本人にも変化をわかりやすくお伝えすることができるので、撮影にご協力いただいています。そして、もう一つ重要なのが年に1回のレントゲン撮影です。
僕が使う10倍ルーペを持ってしても歯と歯の間の虫歯や、詰め物の下の状態、歯の根や顎の骨の状態までは把握しきれない(見えない)ため、レントゲンを撮らせていただいています。稀に1年前には全く問題のなかった歯に異常が見つかったり、過去に治療した歯が良い状態を保っていることを確認できたりと、得るものが多いのでオススメです。
虫歯や歯茎の炎症を完全に防ぐのは大変ですし、まして詰め物や被せ物などは人工物なので、やっぱりメンテナンスが大切です。
定期検診は、クリーニングをしながら病気の早期発見も同時に行っているので、普段自分では目の届かないところのチェックをしてもらいに、気軽に歯医者さんに行ってみてくださいね。