Vol.49

マイクロスコープ導入

前回は、歯科用CTの有効性についてのお話でしたが、今回はマイクロスコープという歯科用顕微鏡についてのお話です。

CTはレントゲンなので、歯や骨の内部の状態を調べる装置ですが、マイクロスコープは治療、施術の際に高倍率で治療部位を拡大し、より詳細な状態を直視するための装置です。

過去に紹介した、10倍歯科用ルーペとは異なり、マイクロスコープは拡大下での治療の様子を画像として撮影できたり、4Kの高画質動画として画面に写したり録画もできるので、治療精度の向上はもちろんですが、患者様への説明やスタッフ教育のツールとしても活躍します。

ルーペやマイクロスコープなど、なぜ高倍率に拡大した視野での治療が推奨されているのかというと、歯科は外科的治療なので「見えている」ことが重要なのです。見えていない所、見えているつもりの所はどうしても治療の精度は劣ってしまいます。ただでさえ、狭くて暗くて小さい口の中なので、治療は簡単ではありません。

そこで治療精度、技術向上のために医療機器開発メーカーさんが色んなアイデアを実用化してくれ、僕たち歯科医師、歯科衛生士が現場で力を発揮できるのです。歯科技工士さんもそうですが、普段皆様の前には立つことはない、色んな業種の連携の上に歯科医療は成り立っています。