Vol.40

世界の歯医者、旅の思い出

歯科治療は世界各国で提供されていますが、中でもインドの歯医者のことで衝撃を受けたことがあります。

昔見たテレビ番組でインドの路上歯医者を紹介していて、そこに写っていたのは、青空の下道端にテーブルを出して中古と思しき入れ歯がずらっと並んでいるのです。そこへ初老の男性が患者?として訪れ、歯医者?の男性が適当なサイズの入れ歯を見つくろってヤスリでギコギコ合わせて、はい、一丁あがりと満足気に帰っていくのです。そして、次の患者の女性には缶に入った謎の紫色の液体を注射に吸い取りブスッと歯茎に注入し、バキッと抜歯、そしてあまりの痛みに失神・・・。その映像を見た時の衝撃は今でも覚えているほどです。

それから数年後、インドに旅行に行くことになり、生で路上歯医者さんに会えるかなと変な期待をしながら歩いていると、路地に歯医者の看板を見つけたのです。ドキドキしながら、せっかくだから日本の歯医者と名乗って挨拶に向かおうとなって、進んでいくと、そこには普通に歯科医院の玄関がありました。そして、迎えてくれた院長先生はとっても親切に対応して下さり、日常の診療のことや治療手順のことなど教えてくれて、僕がテレビで見た路上歯医者のことを話すとただ笑っていました。

何に笑ったのかはわからなかったのですが、インドの歯科医院では日本とそれほど変わらない診療をしていることがわかった瞬間でした。