Vol.38

歯周病は、ギネスブックに載っている

2001年、ギネスブックに「歯周病は人類史上、最も感染者数の多い感染症である。」と記載されました。それから20年、歯周病は研究され続けていますが科学的な全貌はまだ解明されていません。

ヒトの体は、ものすごい数の細菌や微生物と共生関係にあり、いわゆる健康な状態とはその常在微生物たちの活動が体に害のない範囲で行われ、バランスがとれている状態と言えます。

逆に病気の発症とは、その常在微生物たちとの共生関係が崩れ、悪玉菌の活動が活発になった時に起こると考えられています。このことを歯周病に置き換えると、歯周病菌の中でも特に悪い働きをする悪玉菌が、その活動性を高めると歯周病を発症する(共生関係が崩れる)と言われています。

この歯周病悪玉菌の栄養源は歯茎からの血です。歯磨きをした時に血が出ることはありませんか?歯ブラシの刺激で出血するようであれば、それは歯周病発症のサインです。その出血は歯周ポケット内面の歯茎に潰瘍(炎症)ができている証拠です。傷の表面に泥水をつけておくと化膿して治りませんよね?それと同じことが歯周ポケットの中で起こっているのです。

ここまで来てしまうと自然に治ることはないので、治療が必要になります。口の中から菌を全て無くすことは不可能なので、菌の活動を抑えバランスを保つことが大切です。日々の歯磨き、セルフケアが歯周病治療の基本になるので、歯茎から血が出るという方はぜひかかりつけの歯科医院にご相談ください。