当院では先代からの伝統で月に一回、院内研修会を開いています。内容は、症例発表や基礎分野の文献発表など様々ですが、その中で救急対応実習という項目があります。歯科治療のほとんどは命に関わる処置ではありませんが、外科的治療に分類されるので治療中に万が一患者様に体調の急変があったときに備え、予め訓練しておく必要があります。
ですが、一般的な歯科診療所では設備も人材も限られているので、BLS(Basic Life Support一次救命処置)という基本的な救命処置を実習します。何も起こらないに越したことはありませんし、細心の注意を払って診療をしていますが、万が一の準備として連携する病院への通報や、救命処置の手順を確認しています。
また、不測の事態は院内で起こるとは限りません。職員には、日常的に出かけ先などで万が一に直面した時には、医療従事者として命を助ける行為に参加する勇気を持って欲しいと伝えています。何も訓練されていない人と、訓練の経験がある人では、一歩踏み出す勇気に違いが生まれると信じています。
このBLSのトレーニングコースは一般の方でも受講可能です。目の前の人が倒れ意識を失う場面に遭遇することはそう滅多に起きることではないかもしれませんが、大切な人が目の前で倒れてしまったときのことを想像すると、広く一般的に普及する価値のあるものだと考えます。
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