予防医療の未来
虫歯や歯周病を予防する
“予防歯科”の概念が広く周知されてきた現代、
これからは口腔の健康が全身の健康に繋がる“予防医療”の時代です。
歯科はその先頭に立ち、ゆりかごから墓場まで
地域の皆様の健康を支えます。
- 予防歯科とは
- 虫歯や歯周病は、病原細菌による感染症です。予防歯科とは、細菌によって引き起こされる病気・病態を防ぐこと。また、再発しないよう最善の方法で治療をすることと考えます。
予防歯科の必要性
日本人のほとんどの人は毎日1回以上歯を磨いています。ですが、磨いていることと磨けていることは残念ながら一致しません。しっかり磨けていると思っている方の多くに磨き残しがあるのが実情です。何気なく磨き残してしまった汚れ、歯の表面のバイオフィルムはお口の中の細菌の活動性を向上させます。予防歯科ではこれらをしっかりと落とし、清潔な状態を維持するお手伝いをします。また、粘膜の病気や口臭、咬み合わせの不調等も併せてチェックすれば、問題の早期発見に繋がります。
定期健診の必要性
セルフケアのレベルは人それぞれですが、磨き残した細菌はおおよそ12週から毒素を出し歯茎に炎症を引き起こします。 これらを未然に防ぐため、基本的には月1回から遅くても3か月に1回の定期健診(プロケア)をおすすめしています。
プロケアによる定期検診、
セルフケアについて
予防歯科の主役は、ご自身です。
虫歯や歯周病は基本的には適切な歯磨きでしっかり予防できます。
しかし、簡単なようで奥が深いのが毎日の歯磨きです。
定期的なプロフェッショナルケアで普段は磨けないような難しい場所を
徹底的にクリーニングします。
同時に、ご自身で少しでもセルフケアできるよう適切な歯ブラシや
歯間ブラシなどのケア用品を提案致します。
- プロケア
- プロケアは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行うクリーニングやロ腔衛生指導です。ご自身の歯がなく入れ歯の状態の方も、入れ歯の洗浄・消毒や舌の清掃など、どなたでもケアを受けることができます。
- セルフケア
- セルフケアは、ご自身やご家族の方でお口の健康を保つことです。基本は歯ブラシですが、デンタルフロスや歯間ブラシに代表される補助用具の使い方、入れ歯のお手入れや、マウスウォッシュや保湿ジェルの使用など歯科衛生士さんの指導のもと継続して頂くと健康なお口を保つことができます。
プロケアによる定期健診

口腔内のチェック・記録
まず目視で、歯と歯茎、粘膜に問題がないか確認します。その後必要があれば、レントゲン撮影を行い根の状態や、歯を支えている顎の骨の状態、歯と歯の間の小さな虫歯の状態等と確認します。次に、歯茎の検査を行い客観的に磨き残しの量や歯茎の炎症程度、歯周病の進行度等を評価し、お口の写真を撮影し記録します。

スケーリング
磨き残した歯垢は、歯石といわれる細菌の塊になります。一度歯石になってしまうと歯ブラシでは落ちないので、超音波の振動と水を利用した器具で落としていきます。

セルフケアの指導
ご自身に合った歯磨き方法を、予防のプロである歯科衛生士が懇切丁寧に指導致します。適切な予防は、プロケアとセルフケアの両立が不可欠です。要介護状態の方へは、ご家族の方やヘルパーさんへの指導も行います。
歯のお掃除
パウダーメインテナンスについて
パウダーメンテナンスは、歯科先進国である欧米では
標準となっているケアです。
歯を傷つけずに歯ブラシの届かない場所にある
バイオフィルムを、広範囲のパウダー噴射により除去します。
水溶性の優しいパウダーなので、エナメル質を傷つけることなく
つるつるの歯に仕上げることができます。
従来のメインテナンスでは除去の難しかった、
歯間の着色よごれもの除去も可能です。
こんな方におすすめ
- 口臭や、
ヤニなどの着色
汚れが気に
なる方 - 痛くない、
歯に優しい
クリーニングを
受けたい方 - ツルツルで
歯石・着色の
つきにくい歯を
手に入れたい - 矯正治療中や
インプラント、
セラミック治療を
されている方
パウダーメインテナンスの流れ
- お口の状態をカウンセリング
- 歯石・磨き残しの染め出し・セルフケアチェック
- パウダーを用いたクリーニング
- 歯石の除去
- フッ素コーティング
※処置後は30分~1時間飲食を控えていただいております
研磨ペースト不使用、エナメル質を保全できます

清掃前の
残存バイオフィルム
天然歯のエナメル小柱は、容易に認識できます。写真は、次亜塩素酸ナトリウムで全滅した細菌の残骸を示しています。

エアフローパウダープラスによる清掃後
バイオフィルムはエアフローで除去されました。表面は、エナメル小柱質間まで清潔です。摩耗はありません。エナメル小柱はそのままに、表面は非常に滑らかです。舌で歯のざらつきを感じることはなくなり、研磨ペーストで「磨く」必要はありません。

低研磨ペーストによる「研磨」後
重要なエナメル小柱は研磨されています。 ペーストが傷をつけました。バイオフィルムは自然な裂け目に広がっています。 全体的に研磨ペーストを使用すると、貴重なエナメル質が失われます。歯面の改善はほとんどありません。